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2008.06.05

渡邊 哲史

【世界の知財プロに聞く】 第1回 David Merrylees氏(ブラジル弁理士)

世界各国から毎日のようにNGBを訪れる知財プロフェッショナルたちの素顔に迫る新コーナー。

第1回ゲストはブラジル弁理士(Industrial Property Agent)事務所のシニアパートナーDavid Merrylees氏。Merrylees氏はリオ・デジャネイロ出身、趣味はセイリング、ヨット、そしてクラシック音楽で、笑顔が爽やかなブラジル紳士。Merrylees氏のNGB訪問時、ブラジルにおける知的財産についてお話を伺いました。

※Merrylees氏は、Danneman, Siemsen, Bigler & Ipanema Moreira 所属

Q1. 出身地リオ・デジャネイロについて教えて下さい。
リオ・デジャネイロは美しい景色(山並、熱帯林、そして熱帯海)、サッカー、サンバカーニバルが有名で、コルコバードのキリスト像は最近新・世界の7不思議の一つとして選ばれました。長い間ブラジルの首都であったこともあり、特許庁は今もリオに位置しています。

Q2. 大学時代何を専攻されていましたか?
英国オックスフォード大学で基礎工学を勉強しました。私の仕事の大部分は機械、電気・電子分野のものです。

Q3. 知財ビジネスに興味を持たれ知財業界に入った理由を教えてください。
私は法律家の家庭の出身で工学を学びましたので、この二つの組み合わせは知財のキャリアにとってうってつけでした。

Q4. 現在の仕事に対するやりがいを教えてください。
新しい技術開発において、クライアントと直接仕事をすることを楽しみにしています。特に、侵害者に対する法的措置の戦略立案や特許取得戦略立案に関心を持っています。また、事務所をより生産的効率的にし、高い費用対効果を得るため、業務用システム及び新しい仕事の進め方にも取り組んでいます。

Q5. 現時点での仕事上での何に関心を持っていますか?
大規模知財ファームのシニアパートナーとして、現時点での主な関心事は案件数増加を維持しつつ顧客に対するサービス品質を向上させることです。これは困難な目標ですが、私たちの事務所が多数の処理案件と卓越した能力により知られるようになってきたと喜んでおります。

Q6. ブラジルで最も強い産業は何ですか?
ブラジルは自動車産業、鉱業、鉄鋼、石油、ガス、深海掘削機、農業(特に、大豆及びコーヒー)、すべての軽工業、等々幅広い産業基盤を有しています。恐らく、もっとも成長力の高い産業は、輸出量及び国内市場での目覚しい成長から見ると、自動車産業であると思います。また、急速に成長する国における商品に対するニーズは鉱業及び鉄鋼業の急成長をもたらしています。

Q7. ブラジルで企業が最も権利取得に意欲的な産業は何ですか?
機械製品及び電気製品と同じようにバイオテクノロジー、製薬等の新興企業及び研究機関が特許権取得に積極的です。ブラジルにおける外国の特許出願人は、ここ数年幅広い形で関心を高めていますが、バイオテクノロジー、製薬、通信、石油そしてガスの分野で大幅な増加が見られました。

Q8. ブラジルの企業は一般的にどのように知財を取扱っていますか?(例えば、企業は知的財産部を有していますか?)
大部分のブラジル企業は外部の専門的知財ファームを通じて知財を取扱っています。大企業(特に、国有企業)は場合によっては外部の支援を得ていますが、自身の知財を取扱う法務部を有しています。

Q9. ブラジルでの知財時事ニュースを一つ教えてください。
パリ条約及びPCTの加盟国であるブラジル特許庁は、WIPOにより国際調査機関及び国際予備審査機関(ISA/IPEA)として承認され、この新しい役割での活動は2008年内に開始されます。

Q10. 関心がある日本の知財トピックを教えてください。
日本の裁判所と特許庁の両者が、コンピュータ関連及びビジネスモデルの特許性の問題をどのように扱っているか興味があります。また、出願審査滞貨(バックログ)の問題を解決する日本のアプローチ、そして、世界的に調査及び審査を共有するための取り組みに対する日本の様々な提案に関心があります。

Q11. この機会を利用して読者にメッセージをお願い致します。
ブラジルは100年前に日本人により注目された国であり、今現在世界最大の日系居住地となっています。言うまでもなく、ブラジルの発展は日系の方々による貢献、特に農業分野における貢献に負うところが大きいと思います。

1996年ブラジルは知的財産法を近代化し、特許性に対する制限事項の多くを取り除いたため、日本の産業界はブラジルにおける知財保護に関心を示しました。特許付与が発明に対する尊重及び保護を確保する主要な方法となり、日本の権利所有者にきっと利益をもたらすことになると思います。

また、良く知られているようにブラジルの特許審査は早くはないですが、発行された特許はブラジルでとても強い武器となると思います。裁判所も外国企業により所有された権利を特に公平に評価することを示しています。

最後に、ブラジル経済は安定且つ強固であり、インフレーションは比較的低く年率5%程度です。ブラジルは間違いなくチャンスのある国であり、それらのチャンスが一日一日とより鮮明になりつつある時期なのです。

(記事担当:特許部 渡邊)

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