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2009.06.29

GCC(湾岸協力会議)特許出願状況

NGB・IP総研では、GCC(The Gulf Cooperation Council)特許※の出願状況について取りまとめた。

※湾岸協力会議に基づく特許出願。加盟国はバーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の6ヶ国。一の出願により得られた特許権の効力がこの6ヶ国に自動的に及ぶ。特許庁はサウジアラビアのリヤドにある。

GCC特許は中東湾岸地域における統一した知的財産制度の構築を目指して導入され、1998年10月より出願を行うことができるようになった。

右図(図1)は1998年から2007年10月までのGCC特許出願件数推移である。出願件数は年々増加の傾向にあり、近年は年間約2000件の出願件数になりつつある。

登録特許に関しては2002年以降、年に1回もしくは2回程度その登録特許のガゼットが発行されており、現在(2008年9月30日発行分)までで739件の登録特許が発行されている。

下表は、PatBaseを用いて2007年3月31日発行分まで(PatBaseの全収録分412件)のGCC特許を分析した結果であり、表1は出願人ランキング、表2は技術分野別(IPCセクション)の発行件数、表3は技術分野別(IPCサブクラス)ランキングを表している。

出願人では石油関連企業がその大半を占めている様子が分かる。特にShell社はGCC特許全体の中で20%近くの発行件数を占めるまでに至っている。Shell社をはじめExxon Mobil社、BP社といった石油メジャーが特許発行件数ランキングTop10に名を連ねており、産油地域の特色が出ている。

技術分野別(IPC)で見ても、地域特色が色濃く出ており石油化学関連(C07C等)や地中掘削関連(E21B)の技術内容が多く見られる。その他の分野では、医薬関連(A61K)の割合が高く、日米欧などの主要国で出願割合の高いGセクション(物理)やHセクション(電気)についての割合は非常に低いという状況である。

(IP総研 技術グループ 研究員 中根寿浩)

図1 GCC特許出願件数推移
※GCC(http://www.gcc-sg.org)統計データよりNGB作成

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