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2009.10.14

保刈宏之

■商標/普通名称/「.com」との組合せ標章に対する一般性の判断

(In re Hotels.com, L.P., CAFC, 7/23/09)
 普通名称は、出所を表示することはできないから、商標登録されることはない。記述的な用語であって、普通名称ではないものは、識別力を獲得することがあり、商標として機能することがありうるが、ある用語が商標の地位に相当するかは、いかようにしてその標章が消費大衆によって理解されているかによる。
 出願人は、ドットコムが、争点の標章である「HOTELS.COM」の構成要素として、「hotels」という言葉の一般的な性格を解消しており、本標章は、その全体として見るとき、普通名称ではなく、出願人役務の指標となっており、HOTELS.COMが、ホテルにとって普通名称ではなく、情報源や旅行代理店の標識となるよう使用されていると主張し、「即時に明白に商品の目的と機能を記述して」いないから、当該商品にとって普通名称ではないとして、ある用語が使用される文脈は、いかようにしてその用語が見込み顧客によって認識されるかについての証拠であって、ドットコムのドメインネームは、HOTELS.COMの文脈においては重要な特徴であって、普通名称の認定を否定していることになるとし、出願人はその調査証拠を指摘して、記録全体に鑑みて、当該標章が普通名称であるという明らかな証拠は存在しないと説明している。
 しかしながら、HOTELSと.COMの組合せは、新たな意味を組合せの中に生成するものではなく、HOTELS.COMは、「hotels」という言葉自身と同一の意味を有しており、その合成語は、個別の構成要素の通常の意味以上のものを言い表していない。出願人は、インターネット経由の商業ウェブサイトを運用して、ホテルに関する情報を提供しているが、情報源の表示として何ものも加えているわけではない。「hotels」という言葉の考慮に関して、「.com」という接尾辞から分離して一般性として考慮することに誤りはないものと認められる。そうでなければ、これから登録しようとする標章は、電子商取引に参加することによって、普通名称の性質を身にまとわないことになる。登録可能性は、「.com」の組合せに依存しない。本件標章にとって、「hotels」という普通名称は、HOTELS.COMというドメイン名に配置されることによって、その普通名称の性質を失うことはない。「hotels.com」という用語の構成要素の使用例が多くのドメイン名中にあり、それらのウェブサイトでホテル情報と予約サービスを提供するものの中に引かれており、出願人および第三者のウェブサイトから明らかなように、ホテル情報を見つけ、ホテルを予約することが必要な消費者は、HOTELS.COMが、かかるサービスを提供するウェブサイトそのものであると即座に理解する。これらの証拠は、他人が自らのドメイン名と商標の一部として、出願人が登録しようとしている用語を使用しようとする競争上の必要性を証明しており、「hotels」がホテル情報と予約サービスの属を表示しているという結論を支持するものである。この証拠は、一般性に関して、一応有利な事件を支持している。

事実概要
 Hotels.com, L.P.(以下、出願人)は、そのサービスマークであるHOTELS.COMを第43類に登録出願して、その指定役務を「他人に一時的な宿泊(temporary lodging)に関する情報の提供、旅行代理店サービス、すなわち、他人に電話およびコンピュータの世界的ネットワークを用いた一時的な宿泊(temporary lodging)の予約手続を行なう業務」とした。
 主登録簿登録出願において、審査官が登録を拒絶した根拠によると、HOTELS.COMは、ホテル予約サービスに関しては単に記述的であり、出願人の証拠は、連邦商標法第2条(f)の識別力を獲得していることを示すには不十分であるとした。また、審査官は、提示された標章が普通名称のものに見えると説明した。商標審判部(TTAB)は拒絶査定を確認したが、その根拠は、HOTELS.COMがホテルの情報と予約に関して普通名称であって、「ドットコム」は、インターネット商取引を示しているが、その普通名称である「hotels」をブランド名に変えてはいないとした。
 TTABは、「hotels」という言葉が、出願人のウェブサイト上に提示された情報と予約のサービスについて、核をなす焦点であると説示して、「HOTELS.COMの用語は、そのサービスの核をなす焦点を指定する用語以上の何ものも含んでおらず、サービスそれ自体にとって、総称的なものである」と結論づけた。TTABは、ドットコムドメイン指定の追加は、普通名称に登録可能性を付与しないと説示した。しかしながら、TTABは、識別力獲得の証明不十分に関する審査官見解には同意せずに説明して、「出願人が、本審決の控訴において最終的に勝訴するならば、TTABは、識別力獲得に関する証拠は、第2条(f)に基づく登録を支持するのには十分であると選択的に認定する」とした。Hotels.com事件(87 USPQ2d at 1110)参照。
 控訴における出願人の主張によると、本標章は普通名称ではないのであって、HOTELS.COMのウェブサイトは、そのユーザーに宿泊と食事を提供するのではなく、「hotel」という言葉と同意語ではないからであるとした。出願人は、その調査による証拠に言及して、HOTELS.COMは、広範に出願人を連想させており、ホテルサービスに関する普通名称または一般名と見做されるものではないとした。出願人は、査定系審判においては、用語が普通名称であることに関して、PTOに証明責任があるのに、PTOは、これを充たしていないと主張している。出願人は、出願を審査手続の次の段階、すなわち異議公告に進めることを正当とするために、少なくとも十分な反証を提示したと説明している。

確認

以下、I.P.R.誌23巻9号参照

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