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2012.11.22

柏原 雄人

【中国出張レポート】 国家知識産権局(SIPO) & Lenovo社訪問

NGBでは、中国特許情報年会(PIAC)2012開催にあわせて視察ツアーを企画し、同会のほか、国家知識産権局、中国技術交易所、中国を代表する企業の一つであるLENOVO Group, そして柳沈律師事務所をツアーご参加のお客様とともに訪問して参りました。また、最終日には北京務実知識産権センターより程永順先生をお招きして講演会および懇親会を開催、現地駐在の日本企業の方々もご招待して、皆様に有用な情報をご提供する場を設けることも出来ました。PIACについては既にIP総研がブース出展者の立場からレポートしておりますので、今回は国家知識産権局とLenovo社への訪問についてご報告申上げます。

国家知識産権局 (SIPO)

SIPOからは国際合作司長 呉 凱 氏をはじめとする幹部職員3名にご出席頂き、SIPOの組織および中国における知財政策全般について以下のお話を伺いました。

(1) 第12次5ヵ年計画において人口1万人あたり3.3件の発明特許保有を予測的目標としているが、現在まで順調に目標に向かって推移している(とはいえ「これでも日本の水準より低い数字です」との認識)。

(2) 急増する出願の審査を迅速に行なうため、北京、広州および蘇州に審査協力センターを設立済み、今後は更に数箇所に設立を予定。同センターで雇用する職員は国家公務員ではなく、一般企業のサラリーマンと同じ。とはいえ、採用基準はとても厳しく、技術系大学院卒で英語のほかに第2外国語(日本語、ドイツ語、フランス語等)を理解していることが条件。また、採用後も厳しい登用試験があり、同試験をパスできなければ正式に採用とはならない。この試験に2度落ちると審査官への道は完全に閉ざされる。審査協力センターの審査官数は2011年現在2555名(うち新規採用は550名)。他方、国家公務員として専利局に採用されている審査官の総数は2011年は1847名と2010年より100名減となった。国務院は国家公務員を減らす政策を進めており、SIPOもその指導に従っている。

呉司長は各国特許庁長官レベルの会議にも田局長と共に参加するなど、SIPOにおける国際関係業務の中心的なお立場で活躍されており、日本からの、特に民間企業の視察団に対応することは極めて稀なことと伺いました。この貴重な面談のアポイントメントにご尽力頂きました柳沈律師事務所所長にして中国専利代理人協会会長 楊 梧氏に、この場を借りて御礼申し上げます。

LENOVO Group

今回、お世話になりました柳沈律師事務所の創業メンバーの一人、柳先生のご長男がLENOVOの前会長であり、またその妹さんが同事務所のパートナーというご縁から、今回、特別に同社の知的財産部門の方々と昼食をともにしながら色々な話をお伺いすることができました。

Q1.職務発明に対する報奨規定は?
A1.特許実施細則(77条・78条)の規定を部分的に採用している。製品に使用した場合の一定割合支払い(実績補償)はそのまま適用せず、ケースバイケースでボーナスなどを支給。その代わり、特許取得時の奨励金については規定の3,000元(実案は1,000元)より多く払っている。職務発明がライセンス対象になった場合は、規則通りの支払い(実施料の1割)をしている。

Q2.中国国外で発生したR&D成果の取り扱いは?
A2.研究拠点は中国、米国および日本にあり、いずれも現地にて第一国出願を行っている。その後、他国への出願をおこなうが、登録後は、例えば中国特許は中国で、日本特許は日本で、また米国特許は米国の拠点にて管理している。

Q3.中国特許法で気になる点は?
A3.強いてあげれば、実用新案の存在。LENOVOでも全出願の10%が実用新案(ちなみに年間の全出願目標は2,000件)。実用新案の権利行使については経験がない。
 
LENOVO Group のロビーには海外で登録となった特許公報のファーストページのレリーフがロビーの壁に誇らしげに展示されており、知的財産の重要性を高く認識していることを感じました。 また、ご対応いただいた知的財産部の面々はいずれも若く有能な方々ばかり。英語での会話レベルは極めて高く、中国を代表するグローバル企業という印象でした。

今まで、中国といえば模倣品を製造する困った企業ばかりとの印象が強かったですが、独自に技術開発を行ない、グローバルベースで事業を行うワールドクラスの企業が数多く育っていることを実感しました。 

モダンな社屋の地下にあるLENOVOの社員食堂はとてもクリーン。 イスやテーブルのデザインや配色も社屋同様モダンでとてもお洒落でした。 ご馳走になったお料理も本格的な中華料理でたいへん美味でした。 LENOVO ブランドのパソコンを持参していたツアー参加者を見つけ、とてもよろこんでいたのが印象的でした。 

(営業推進部 原田智)

国際合作司長 呉凱氏とツアーご参加の皆様

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