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2014.10.23

【ASEANプロジェクト2014】[ 5 ] マレーシア、タイ 訪問記 <後篇>

ASEANプロジェクト2014もいよいよ最終回。特許出願スタッフ3名(飯島・増位・田中)と年金管理スタッフ1名(永田)からなる第5チームは、タイとマレーシアを訪問しました。本稿では、特許庁の審査官や代理人とのインタビューをとおして得られた特許審査の現状についてご報告します。

   マレーシア
   タイ

[タイ]

注目を集めるASEAN諸国の中でも、最も多くの日本企業進出数を誇るタイ。 そのタイを訪問したのは7月の下旬である。 当初は、6月上旬におけるマレーシアへの訪問と合わせての訪問を予定していたが、5月下旬にタイ陸軍によりクーデターが宣言されたため、訪問を延期せざるを得なかった。 なお、我々の訪問期間中もタイはクーデター宣言下にあったため、出発前の段階では少なからず治安への不安があった。 しかし、実際に現地を訪問した際には特に危険を感じるような出来事もなく、軍の姿を見かけることもなかった。 「軍が介入してから、むしろ治安が良くなった」と話す現地代理人もあるなど、少なくとも首都バンコクにおいては人々は支障なく生活ができているようだ。

タイ特許庁
タイの特許庁は、首都バンコクの中心から車で45分ほどの郊外に位置している。 ただし、この「45分」というのは交通渋滞に巻き込まれなかった場合の時間であることを付け加えておく。 タイの特許庁は、商務省の管轄下にある組織であり、商務省の立派な建物の一角に位置している。 出願を扱う部門を訪れたが、平日の昼間ということもあり、人でにぎわっていた。 なお、タイで特許出願をする際には、書類自体は電子的に提出できるものの、庁費用は特許庁の窓口で支払う必要があるため、出願の際には毎度特許庁を訪れる必要があるらしい。 先述した交通渋滞との相性的にも、すべて電子で出願が可能となるよう、運用を改めてほしいものだ。
また、特許庁では、審査官の方々から直にお話を聞くことができた。 タイの特許実務において必ずと言ってもよいほど話題になるのは、「審査遅延」に関する問題である。 この点について率直に尋ねてみたが、審査官の数が不足していることが一番の原因らしい。 なお、審査官の募集自体は行っているようなので、今後の動きに期待したい。
現地特許事務所
 複数の現地事務所を訪れたが、ここでは、タイでの「早期権利化」実務に関する情報を中心に、情報収集を行った。 タイの審査官には独自で審査をする能力が備わっていないので、タイで特許を取得する際には、対応国の認可情報を提出し、その認可クレームに合わせる補正を行うことにより権利化を図る場合がほとんどだ。 ここで、早期権利化のためには、対応国の認可情報の提出を「迅速に」行うことが好ましいということで現地代理人の見解は一致していた。 さらには、タイでは出願の「公開」を契機に審査請求が可能となるため、公開時期の管理も早期権利化のためのポイントとなりうることが分かった。
 このように、タイ出願の早期権利化のためには、タイ出願、及びその対応国出願のステータスを総合的に把握する必要があり、多元的な管理の必要性を再認識させられた。
また、今回の訪問において実感したことは、タイでは法律や規則を厳密に運用しているとは限らず、実務的な運用で成り立っている手続きもあるということ。 このあたりの細かな情報は、実際に現地へと行ってみなければ得ることはできないであろう。 実際、タイへの訪問前の書面での事前調査では現地代理人の意見にややばらつきがあるように思えたが、実際に会って話を聞いてみると、彼らの見解は概ね一致していた。 面談の重要性を改めて思い知る結果となった。

[特許第1部 田中康太郎(タイ記事担当)]

こうして集めた現地最新情報は、各種実務を通じてお客様にフィードバックして参ります。 出願における審査遅延問題等、アジア関連でお困りごとがあれば、まずはNGBに !どうぞお問合せ下さいませ。

バンコク市内の様子
バンコクのショッピングモールにて
商務省の立派な建物
特許庁の出願窓口

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