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2017.05.18

【中東訪問記2017】 [2] いざ、イランへ!

UAEでの任務を終え、いよいよ今回出張の第二の目的地、イランに出発です。これまで、多くの国へ視察団を派遣してきたNGBですが、イランは初めての訪問となります。イランといえば、ペルシア文明の代表であるとすぐに思い出しますが、同時に、あの9.11以降、「悪の枢軸」という言葉も自然に浮かび上がります。近時、ようやく主要国の対イラン制裁が緩和されつつある中、商機復活として注目が集まるイランですが、一体どのような国であるか、日本にいるだけではなかなか情報は得られません。

イランの入国にはビザが必要ですが、その手配やホテルの予約のため、複数の旅行会社に尋ねても、「凄い国に行かれますね?」と必ず言われ、イランのホテルとは取引がない、ビザ取得も経験がない、との理由で断られる一方でした。事実、イランでは、海外からの渡航者はクレジットカードが使えず、すべて現金払いです(ホテル、空港等すべて)。そのように、いまだ残る経済制裁の影響もあり、ネット決済での海外ホテル予約という、現在の便利な常識も通用しません。ホテルに問い合わせのメールを送っても、返信は全くなし。本当にイランに行けるのか?と焦る日々でした。といっても、このような国での商標権取得等、知財関連のサービスにつき、弊社は数十年来続けて参りました。知財制度と、信頼できる現地事務所を、我々はよく知っています!旅行会社への依頼を断念し、独自でイランの弁護士事務所の協力を得ながら、ビザ取得やホテルの予約を模索しました。

その結果、無事、ビザの取得、ホテルの予約も出来、首都テヘラン南部のエマーム・ホメイニー国際空港に降り立つことができました。ドバイ国際空港からは、僅か2時間足らずのフライトです。夏のドバイから、まだ冬のテヘランに逆戻り。しっかり体調管理せねば!との思いを強くします。

入国審査は、至って簡単。既にビザを取得しているため、質問もありませんでした。通関して目の前に現れたのは、LG社の電子スクリーンに、Welcome to Tehranの表示です。その他、SAMSUNGや、中国のHUAWEIなどの商品の広告があらゆるところにあります。空港から出るところで、タクシーはトヨタや日産の自動車を使っている車両が多く存在します。意外とアジア企業の進出が進んでいると感じました。

いよいよテヘラン市内へ。訪問準備でお世話して頂いた弁護士事務所に出迎え頂き、空港から車で約1時間。古い建物が並び、高層ビルはほとんど見えません。90年代前半の中国に似た風景です。そして、道路の混雑は尋常ではなく、車もバイクも、歩行者も全員信号無視!車線という概念もありません。が、車間距離数センチに密集する中、ドライバー達は驚きの運転テクニックでスイスイと車を流し、それほど大きな渋滞もなく、順調にホテルに移動できました。
ホテルはテヘラン中心部から近いところに所在し、立地の良いところです。街の様子、そして遠くにある非常に大きなモスク、更に天気が良い時には雪山が見えます。
少し休憩して、ホテルの周辺をぶらぶら。すると一般の市民が「ニーハオ!」「コンニチワ!」と親しげに挨拶してくるではありませんか。イランって怖い所じゃなかったっけ?「悪の枢軸」?いやいや、ちょっと様子が違うようです…

(商標部 関口/範)

=>[3] テヘラン事務所訪問から特許庁へ に続く

テヘランへようこそ!
空港前タクシーの車列
バイクの二人乗り親子(ノーヘルでお菓子をほおばりながら!)
ホテルの窓から見た景色

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