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2020.06.23

【特許・意匠ニュース】 欧州特許庁、EPC規則71(3)の次回通知を受け取る権利を放棄(waive)するオプションを廃止へ

欧州特許庁(EPO)は、2020年5月26日付で、EPC規則71(3)の次回通知を受け取る権利を放棄(waive)するオプションを廃止する旨を発表しました。2020年7月1日以降に発行されたEPC規則71(3)の通知から、このオプションが使えなくなります。なお、2020年7月1日より前の日付に発行されたEPC規則71(3)の通知に対する応答で提出された権利放棄は、従来通り処理されます。

EPC規則71(3)の次回通知を受け取る権利を放棄(waive)するオプションとは
EPC規則71(3)によると、欧州特許庁は、特許付与する旨のCommunicationを発行することで、特許が付与される発明の内容に同意するか否かを出願人に問い合わせます。審査官から提示されたテキストに対して出願人が同意できない場合、反論又は補正の機会が出願人に与えられます。
反論又は補正した内容に、審査官が同意した場合、通常はその内容について出願人のさらなる同意を求める通知(further communication)が発行されますが、早期の登録のために、出願人はこのさらなる通知を受ける権利を放棄(waive)するオプションを選択することも可能でした。

しかしながら、ごく少数の出願人しかこのオプションを利用していなかったこと、また、特許付与を受けるための要件を全て満たしているならば、欧州特許庁は直ちに特許査定・公告の準備を始めていたこと(すなわち、このオプションを利用しない場合であっても早期の登録となっていた)から、このオプションは廃止されることとなりました。

(参考)
EPO HP
[Official Journal, June 4, 2020]
https://www.epo.org/law-practice/legal-texts/official-journal/information-epo/archive/20200604.html
[Official Journal, June 6, 2015]
https://www.epo.org/law-practice/legal-texts/official-journal/2015/06/a52.html
[The European Patent Convention]
https://www.epo.org/law-practice/legal-texts/html/epc/2016/e/r71.html

記事担当:特許第1部 永田(智)

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