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2021.09.13

特許第1部 齋藤俊之

【意匠ニュース】欧州共同体意匠 欧州一般裁判所(EGC)、欧州連合知的財産庁(EUIPO)の審判部による技術的機能の特徴に基づく無効宣告を覆す

レゴ社の登録意匠に対する無効申立に関連して、欧州連合知的財産庁(EUIPO)の審判部は、2019年4月10日に、レゴ社の登録意匠001664368-0006のすべての外観の特徴が技術的機能のみによって決定付けられていると判断し、それゆえ無効であると決定しました。しかしながら、2021年3月24日、欧州一般裁判所(EGC)は審判部が登録意匠のすべての外観の特徴を考慮していないとし、審判部による無効決定を覆しました。

レゴ社の登録意匠は、ビルディングセットのブロック(下図参照)を対象としており、2010年2月2日に登録されましたが、Delta Sport Handelskontor から無効申立が行われました。

20210913

審判部は登録意匠に下記の外観の特徴を特定しました。
(i) ブロックの上面にあるスタッドの列
(ii)ブロックの下面にある小さな円の列
(iii)ブロックの下面にある2列の大きな円
(iv)ブロックの長方形状
(v)ブロックの壁の厚さ
(vi)スタッドの円筒形状
そして審判部は、これらの特徴のすべてが製品の技術的機能、すなわち、セットの残りのブロックとの組み立ておよび分解を可能にするためのみによって決定付けられると判断し、この登録意匠が無効であると決定しました。

この決定に対して、レゴ社はEGCに異議を申し立て、外観の重要な特徴(具体的には、スタッドの上列の両側の平面部分)が考慮されていないことを主張しました。

EGCは今回の判決にあたって、前提として正確に形状と寸法が複製され機械的な接続に用いられるような製品の外観は保護対象とならないとしながらも、モジュール製品の機械的な接続がモジュール製品の革新的な特徴の重要な要素であり、マーケティング上の資産となるような場合は保護対象となりうると言及しました。
さらに、EGCは、上記の前提以前に、欧州理事会規則6/2002の第8条(1)で言及されている外観と技術的機能の特徴の関連性のすべてを審判部が考慮していないと指摘しました。すなわち、スタッドの上列の両側の平面部分の特徴が審判部によって特定された特徴には含まれていないため、「外観の特徴のすべてが技術的機能のみによって決定付けられたこと」を立証しておらず、このデザインを無効とすることはできないと判決しました。

(参考)
・General Court of the European Union, PRESS RELEASE No 48/21(2021年3月24日付)
https://curia.europa.eu/jcms/upload/docs/application/pdf/2021-03/cp210048en.pdf
・General Court of the European Union, In Case T 515/19
https://curia.europa.eu/juris/document/document.jsf?text=&docid=239258&pageIndex=0&doclang=en&mode=lst&dir=&occ=first&part=1&cid=4731195

記事担当:特許第1部 齋藤俊之

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