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2024.02.13

特許部 木下遼祐

【特許・意匠ニュース】EPO、特許庁料金の改定を発表

2024年1月31日、欧州特許庁(EPO)は、各種庁料金の改定、及び新たな減免規定を発表しました。改定後の料金は2024年4月1日以降の庁手続に適用されます。

主な改定料金の項目は以下の通りです。

今回の値上げでは、出願から登録に係る各種料金は概ね4%の値上がりにとどまっている一方、維持年金について、3年次と4年次でそれぞれ30%と28%と大幅に値上がりしています。

また、EPC規則7a及び7bとして新たな減免制度が規定されています。

新規則7a及び7bでは、従来の減免(英語、フランス語又はドイツ語以外の言語を公用語とするEPC締約国に住所等を有する出願人が、当該締約国の公用語で欧州特許出願又は審査請求を行う場合に出願手数料又は審査手数料が減額される(旧規則6(3), 6(4)))に加え、国籍や居住地に関係なく、出願人が零細事業者、自然人、非営利団体、大学、及び公的研究機関の場合に出願手数料等が30%減免される旨が規定されています(新規則7a(3))。

本制度は、小規模で経験の浅い欧州企業が欧州特許制度にアクセスしやすくすることで、その成長と発展を支援することを目的としているようです。国籍や居住地に関係なく適用されるとのことですので、日本の出願人(零細事業者、自然人、非営利団体、大学、及び公的研究機関に限る)にも適用されます。

なお、減免を受けようとする欧州特許出願の出願日、或いはPCT経由の欧州特許出願の移行日から遡って5年の間に同一出願人による5以上の欧州特許出願又はPCT経由の欧州特許出願がある場合には、減免を受けることができませんのでご注意ください(新規則7a(4))。

(参考)
・庁の発表(2024年1月31日付)
https://www.epo.org/en/legal/official-journal/2024/01/a8.html
https://www.epo.org/en/news-events/news/new-simplified-fee-system-supports-small-applicants-30-discounts
・欧州特許機構管理委員会の決定(2023年12月14日付)
https://link.epo.org/ac-document/CA/D 16/23 – En.pdf

木下 遼祐
大学院博士前期課程修了の後、日本技術貿易(現NGB)株式会社に入社。修士(薬科学)。入社以来、化学・製薬・食品分野を中心とした外国特許出願をサポート。外国特許について権利化から他社特許対応まで幅広く対応。各国実務に関する情報収集・発信で顧客の知財活動支援も行う。

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