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2014.04.17

【特許・意匠ニュース】 中国:「専利審査指南」改正によりGUIが保護対象へ

2014年3月12日付にて「中国国家知識産権局による『専利審査指南』の改正に関する決定」が発表されました。改正内容は2014年5月1日より施行されます。これにより、従来、通電状態で表示される図案として意匠権の付与対象外だったグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)が、中国で意匠登録として認められるようになります。

主な改正内容は以下の通りです。

1)「意匠専利権を付与しない場合」(審査指南第一部分第三章第7.4節)の改正
改正により、以下の(a),(b)に該当する意匠が「意匠専利権を付与しない」対象とされました。(以下の(a),(b)以外はGUIとしての意匠登録が認められる予定です。)

(a) ゲームインターフェース
(b) ユーザーがパソコンとインタラクティブ(ヒューマンコンピューターインタラクション)な関係にない図案、又は製品機能の実現と無関係な製品表示装置に表示される図案(壁紙、ウェブサイトのレイアウトなど)

2)「出願図面の要件」(審査指南第一部分第三章第4.2節)の改正
改正により以下の(a)-(c)の規定が追加されました。
(a) GUIを含む製品の意匠出願の場合、製品全体の意匠図面を提出しなければならない。(つまり、GUIを表示する製品の全ての図面を提出する。)
(b) 動的なGUIを含む製品の意匠出願の場合、少なくとも1図、GUIを含む製品全体の意匠図面を提出しなければならない。
(c) 動的なGUIを含む製品の意匠出願の場合、重要な(キーとなる)図面だけを提出すればよいが、それによって動画の変化傾向を特定できなければならない。

3)「簡単な説明の記載」(審査指南第一部分第三章第4.3節)の改正
GUIを含む意匠出願については必要に応じて、
(a) GUIの用途(b) 製品におけるGUIの配置(c) GUIの変化状態 (d) インタラクティブな方法 を説明することができるという項目が追加されました。

4)審査指南第一部分第三章第7.2節の改正
「製品の形状、図案またはその組み合わせ、並びに色彩と形状、図案との組み合わせ」に関する規定の中で、「製品の図案は固定し、目で見えるものでなければならなく、状態が不安定または特定の条件に限って見えるものであってはならない。」という文言が削除されました。

5)審査指南第四部分第五章第6.1節の改正
「同一又は類似する種類の製品における現有設計との比較」に関する規定の中で、
「GUIを含む製品の意匠については、GUI以外の部分がありふれた設計である場合は、そのGUIが全体の視覚効果により顕著な影響を与える。」という項目が追加されました。

本改正の施行日は2014年5月1日ですが、優先権主張を行う場合の基礎出願日の取り扱い等、適用対象となる案件についての詳細は未だ明らかにはなってはいないため、今後の発表が待たれます。

ご参考;日本貿易振興機構北京センター知的財産権部掲載,改正前の「専利審査指南」日本語仮訳,http://www.jetro-pkip.org/html/ztshow_BID_201006221059.html
(2014年4月16日時点では改正前の情報が掲載されております。)

(記事担当:特許第1部 関)

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