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2014.09.22

【ASEANプロジェクト2014】[ 4 ] ブルネイ、ラオス、カンボジア 訪問記 <中篇>

ASEANプロジェクト2014第4チームからは、ブルネイ、ラオス、カンボジアについて紹介する。いずれの国もASEAN10カ国の中では経済規模が小さい国であり、工業的発展の途上にある国々である。これらの国における知的財産保護について不安を感じておられる方も多いと思う。本プロジェクトでは、現地訪問の前に、訪問先の国の知的財産制度について日本国内でどのような情報が得られるか事前調査をしたが、これら3カ国については実務上十分に役立つ情報は得られなかった。本稿では、NGBの特許担当者と商標担当者が実際に現地を訪問して、現地代理人や審査官に対するインタビューを通して得られた現地の様子を3篇にわたって紹介する。

   ブルネイ
   ラオス
   カンボジア

[ラオス]

ラオスはASEAN加盟国中、唯一海に面していない国で、社会主義国の一つでもある。

NGB商標部では、お客様である日本企業の商標出願・更新管理の仲介を世界中で行っているが、新興国、特に知財活動の規模が小さな国の場合は周辺国の大手事務所を介在させる場合もあり、直接現地の代理人と交渉する機会が無いのが実情。そんな「遠い」国の一つであるラオスに降り立つと、何と入国審査所の壁に今回訪問する法律事務所の看板(それも日本語で書かれている)が! そしてそんな法律事務所を訪問すると、日本企業からの感謝状等が並び、多くの実績を残していることが分かる。模倣品対策に多くのスタッフが携わっており、市場調査から、行政や司法と連携した差し止めまで行っているとの説明を伺えた。

ナイトマーケットに実地調査に出向けば、なるほど、シャネルやヴィトンといった世界的に著名なブランドの模倣品が数多く並んでいる(写真1、写真2)。一目で模倣品と分かるようなものばかり。真正品を買おう!という意識はまだまだ根付いていないことが窺え、模倣品対策の手を緩めることは当面できそうにないと感じられた。

この国のGDPは世界的に見て低いレベルにあるが、少なくとも我々が訪問した首都・ヴィエンチャンでは物乞いを見かけることはなかった。ラオスでも東南アジアに多くみられる「トゥクトゥク」が多く走っており、市民の足となっている。また、タクシーは少なかったが、電車などの公共交通機関が未発達のため、自家用車が多く走っていた。そのため、渋滞が常態化しており、渋滞に巻き込まれると通常の2~3倍の時間を要してしまう。特に、帰宅ラッシュ時は車やバイクで道が埋め尽くされるため、要注意である。

[商標部 伊藤賢太郎・金山英嗣(ラオス記事担当)]

=> カンボジアへ続く

(写真1:ナイトマーケットの様子)
(写真2:ナイトマーケットで売られていた模倣品)

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