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2015.08.20

NPEの特許収益化を抑止するUnified Patentsの活動[2]

筆者はNPEによる特許収益化の抑制を掲げる米国のサービス事業者であるUnified Patents Inc. (UP)について2015年1月に紹介した。UPは2012年に設立され、1) NPEが数多く権利行使している特定のハイテク分野において、本来無効となるべき特許に対して米国特許庁の特許トライアル審判部(PTAB)にて当事者レビュー(IPR)等を提出することにより、特許無効化を図る、2)NPEに金銭を一切渡さない、3)将来のNPE活動を抑止するといった新機軸を打ち出している企業である。本稿においてはその後7か月でUnified Patentsの活動状況についてUPのオフィシャルサイトやプレスリリースを調査し、UPのNPEの特許収益化を抑止する活動が活発化している状況を報告する。

NPEに対抗する技術ゾーンは以前の4つのゾーン(クラウドストレージ、コンテントデリバリー、ワイヤレス(携帯電話を除く)、電子支払)に加え自動車について5つ目のゾーンが開設されており、会員数についても70社超から90社超に増えている。自動車ゾーンの開設時期については不明であるが、2015年6月9日のUPのホームページ等でトヨタ自動車とホンダの自動車ゾーンへの加盟が報告されている。

下記のUPの統計によれば、自動車分野の米国特許侵害訴訟においてはNPE訴訟の占める割合が高いことが分かる。

NPE活動の抑止策としてUPが当事者系レビュー(IPR)をNPE特許に対して提出した数は直近7か月で13件から24件と増えている。24件のIPRの特許権者(NPE)とゾーンの関係は以下の通り。
クラウドストレージ、コンテントデリバリー及び電子支払の分野でIPR等(一部再審査)が提出されていることが分かる。

UPが提出した24のIPRについて詳細(IPRケース番号、提出日、トライアル手続き決定日、ステータス、特許番号、Art Unit、特許のタイトル、特許権者、UP代理人名)をまとめた資料を作成しましたのでご希望の場合はお問合せフォームよりご連絡ください。

(IP総研所長 折田)

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