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2025.12.12
東南アジア駐在員事務所 寺岡裕芳
こんにちは。NGBバンコクオフィス駐在員の寺岡です。今回は、当オフィスの業務のひとつである「出張アレンジ・出張アテンド」についてご紹介します。
バンコクオフィスの設立目的のひとつに、「ASEAN地域における活動拠点とする」というものがあります。この目的に準じて、オフィス設立以来、商標担当、特許担当、調査担当、営業担当など弊社のさまざまなメンバーによるASEAN関連のプロジェクトに関わり、プロジェクトメンバーによるASEAN各国への出張スケジュールをアレンジしたり、出張者のアテンドをするといったことを行っています。
バンコクオフィスの駐在員としてプロジェクトに関与することになると、プロジェクトメンバーの意向を確認しながら、なるべく早い段階で出張スケジュールのアレンジを始めます。出張スケジュールには、各国の知財事務所・法律事務所への訪問面談が含まれることが多いので、訪問国の休日カレンダーや、環太平洋地域での主要な知財カンファレンスの開催予定などを確認しながら、全体的なスケジュールや具体的な訪問日時を見極めつつ、各々の事務所にアポ取りを行ってゆきます。
場合によっては、プロジェクト目的に応じて、訪問先の事務所をバンコクオフィスより選定・提案するといったことも行いますし、各国の特許庁に対して訪問面談したいといった要望には、早めに訪問先の事務所と連携して特許庁に対する面談打診の準備を行います。
こうしたアポ取り作業では、各事務所の適切なキーパーソンにコンタクトを取り、具体的に訪問趣旨を説明する一方、各事務所のオフィス所在地や現地での移動手段・移動時間などを念頭に置きつつ、先方の都合にも応じながら訪問順序や訪問日時を調整してゆくといった作業を重ね、移動効率が最適で無理のないスケジュールを組んでゆきます。
ここで、出張者が「アレンジサンキュウ。じゃあ行って来る」という場合には、駐在員としての仕事がほぼ終了するのですが、多くの場合は、バンコクオフィスの駐在員も出張に同行させてもらいますので、実際の出張期間中の帯同サポート、いわゆる出張アテンドの段階となります。しかし、この段階では、前段の出張アレンジの部分を十分に仕上げていれば、あとは天候や交通渋滞などの状況に応じて微調整をしてゆくだけです。
しかし、特にジャカルタやバンコクといった交通渋滞が顕著となりがちな都市での移動が多くなる場合には、予め十分に余裕を持ってスケジュールを組んでいたとしても、時として訪問先への到着遅れが確実となる場合が生じますので、そうした場合に備えて、移動中のタクシー車内からLINE,WhatsApp,WeChatといったメッセージアプリやメールで訪問先に状況連絡ができたりすると安心です。訪問直前で慌てることがないように、各事務所の窓口キーパーソンとは、メールアドレスだけでなく、そうしたメッセージアプリでのコンタクトも予め交換しておくように心がけています。
あるいは、交通渋滞を見越して早めに訪問先の近辺まで移動しておき、周辺のカフェなどで時間調整してもらうといった場合もあるので、そうした待機場所の近辺で利用可能なトイレの場所を事前に頭に入れておき、待機中にそれとなく案内できると安心です。訪問面談にあたっては、スッキリした状態で臨みたいものですものね。
なお、訪問する都市によっては、配車アプリによるタクシー移動だけに頼ることなく、可能な限り、公共の電車・地下鉄や市バス、さらにはトゥクトゥク(三輪タクシー)や渡し船などにも乗車・乗船してもらうように案内し、少しでも現地感覚での移動を体験してもらえるよう心がけています。
さいごに、思いのほか手間が掛かるのが、訪問後・出張後の各所へのお礼メールの送信ですが、これについてもバンコクオフィスにて積極的に且つ丁寧に対応しており、出張者の負担軽減に努めつつ、各事務所との今後の取引関係にも滞りがないようにしています。
以上が、駐在員が出張アレンジ、出張アテンドを行う際の「基本的な心得」のようなものだと考えているのですが、以下のような準備や気配りも欠かせません。例えば、出張者の要望に応じた食事ができるように、要所要所での食事処の選択肢をたくさん仕入れておいたり、出張スケジュールに週末や非稼働日が含まれている場合に備えて、ASEAN各国における一日単位または半日単位でのエクスカージョンやアクティビティの選択肢を用意しておく、といった準備です。また、訪問先での面談や会議を適切にファシリテートしたり、訪問先とのランチ等のシチュエーションで出張者を歓談の輪に上手に招き入れるといった気配りも、駐在員の重要な任務だと考えています。これらの点に関しても、皆様にシェアしておきたい経験・知見が非常にたくさんあるのですが、そちらに関しては、長くなるので、また別の機会に。
なお、これまでは弊社内から出てくるプロジェクトとコラボレーションすることが多かったのですが、先日は、とあるお客様がASEAN関連のプロジェクトを持ち込んで下さり、お客様サイドのメンバー複数名に東京本社からの弊社メンバーを加え、10日間ほどかけてタイ王国とその周辺諸国に出張して巡るといった活動を行いました。
この活動の際にも、これまでの経験で培った心得を随所で ”さりげなく” 発揮することで、結果としてスムーズな出張期間を過ごしていただけたようであり、大変ありがたいことに励みになるお言葉をいただきました。東京本社からの弊社メンバーによる事前準備や活躍もあり、東京とバンコクとで密接にコラボして、大切なお客様の重要なプロジェクトを全方位でサポートさせていただけたことを、大変嬉しく思います。
どれどれ、それほどの心得があると自負しているようなら採点してやろうじゃないの。といったお客様がおられましたら、是非、ASEAN関連の知財に関する出張プロジェクトをお持ち込みいただけますようお願い致します。さまざまな形で各社様とのコラボレーションの機会が広がることを楽しみにお待ちしています。
ASEAN地域における知財に関する困りごとなどがございましたら、是非お気軽にご連絡ください。
※ 弊社バンコクオフィスへのご連絡は、こちらからお願い致します。
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寺岡裕芳 (てらおか ひろよし)
NGB株式会社 東南アジア駐在員事務所(バンコクオフィス)
オフィスマネージャー


