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2010.04.08

日米欧中PCTにおける2009年特許件数ランキング

 本稿では日米欧中の4極とPCT出願について、2009年の特許件数ランキング示し、その比較を行った。
 全体的に上位企業の大きな変動は見られない。しかし、近年中国特許出願件数の急増に伴い、中国・台湾メーカーが上位にランクインする動きが見られている。例えば、2008年PCT公開件数で1位となったHuawei TechnologiesやHon Hai Precisionである。その他、近年見られる構図として、米国・欧州・中国・PCTでSamsung ElectronicsやLG Electronicsが上位に位置している。

 各国の状況は以下のとおりである。

[日本:公開特許]
1位のトヨタ自動車が1万件を超え、以下パナソニック、東芝、キヤノン、セイコーエプソンと続く。上位20社は電機メーカーが16社、自動車関連メーカーが4社となっている。

[米国:登録特許 ※Wolters Kluwerプレスリリースより引用]
1位は17年連続でInternational Business Machinesで約4900件となっている。続くのはSamsung Electronics、Microsoft、キヤノン、パナソニック、東芝と日本の電機メーカーが続く。特に注目は14位のHON HAI PRECISION INDUSTRYで2008年は22位(719件)であったが、近年特許出願を着実に増やしていることがわかる。

[欧州:公開特許]
Philips Electronics、Siemens、BOSCHと欧州メーカーが上位3社となっているが、それに続くのがLG Electronics、Samsung Electronicsの韓国メーカーである。日本メーカーで上位に位置するのはパナソニックとトヨタ自動車、ソニーとなっている。

[中国:公開特許]
Huawei Technologies、ZTE、Hon Hai Precisionと中国電子部品、通信メーカーおよび台湾の電子部品メーカーが上位を占めている。なお4位の鸿富锦精密工业(深圳)有限公司は3位Hon Hai Precisionの中国子会社である。外国企業ではパナソニック(5位)、Philips Electronics(6位)であるが、7、11、15、19、20位に大学が入っているのが中国ランキングの特徴である。

[PCT:公開特許]
2008年はHuawei Technologiesがランキング1位となり注目を集めたが、2009年は再びパナソニックが1位となっている。2位以降はHuawei、BOSCH、Philips Electronics、Qualcommとなっている。

(IP総研 コンサルティングソリューショングループ 研究員 伊藤寿)

注1)ランキングおよび件数調査方法
 商用データベースを用いて各国のランキングを確定後、IPDL・espacenet・SIPO・WIPOのデータベースから名義による検索を行い、件数を確定した。

注2)米国登録特許ランキングは”Wolters Kluwerプレスリリース”の件数を引用
 http://www.ificlaims.com/IFI%202009%20patents%20011210%20final.htm

注3)PCT公開件数ランキングは、下記発表がすでになされている。本稿では名義による検索を行っているが、発表値とは異なる場合がある。
 http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2010/article_0003.html

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