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2011.08.06

【米国トレーニー日記】第7回:ワシントンDCの街について

ワシントンDCには多くの特許事務所(法律事務所)があります。今回は知財担当から見た、ワシントンDCという街それ自体を紹介したいと思います。
ワシントンDCはアメリカの東海岸に位置しており、メリーランド州、バージニア州に挟まれた、一辺が10マイルの略正方形(南西部分が大きく欠けていますが)をしています。アメリカ合衆国は50の州から構成されていますが、ワシントンDCはそのどの州にも属しておらず、連邦政府が直轄する区画となります。また、ワシントンDCには国会議事堂や多くの政府機関があるため、必然的に多くの法律事務所が集まっています。

ワシントンDCは国会議事堂を中心に南西地区(SW)、南東地区(SE)、北東地区(NE)、北西地区(NW)に分けられ、特許事務所を含むオフィス街は北西地区(NW)に広がっています。また、道路は碁盤目状に延びる道路と、斜めに延びる道路とから構成されており、南北に延びる道路には数字(国会議事堂から各々外側に向かって1,2,3・・・)、東西に延びる道路にはアルファベット(国会議事堂から各々外側に向かってA,B,C・・・)、斜めに延びる道路には州の名前がついています。ワシントンでの住所は「番地、通りの名前、地区」で定義され、建物には必ず番地が大きく書いてあるので、初めての所でも迷うことはあまりありません。

ワシントンの道路の中でも有名なペンシルバニアアベニューは、国会議事堂からホワイトハウスに向かって北西方向に延びており、大統領の就任パレードなどでも使われる通りです。特許事務所もこのペンシルバニアアベニュー沿いにたくさん並んでいます。またホワイトハウスの北側を東西に延びるKストリートもワシントンのメインストリートであり、多くの特許事務所が並んでいます。特許事務所の住所がペンシルバニアアベニューやKストリートになっているのは一つのステータスだとか。

なお、このペンシルバニアアベニューとKストリートとで囲んだ三角形の内側に特許事務所が集中しており、最高裁判所や連邦巡回裁判所(CAFC)などもこの一角にあります。なお、この三角形内の場所であれば大抵どこからでも歩いてアクセスでき(端から端まで歩いても30分程度)、地下鉄やバスも走っているので移動も非常に便利です。またワシントンDCには地下鉄が5路線ありますが、オレンジラインとブルーラインがこの三角形内を東西に走っているのでこちらも便利です。

ここまで、ワシントンDCの特許事務所や裁判所はこの三角形の内側にあると説明してきましたが、肝心の特許庁は現在この三角形の内側にはありません。現在の特許庁はワシントンDCから10キロほど南にあるバージニア州のアレキサンドリアという街にあります。地下鉄のブルーラインかイエローラインで20分ほどかかります。なお特許庁は今までに2度引っ越しており、最初の特許庁は三角形の内側にあり、現在ではスミソニアン博物館の一部であるアメリカンアート美術館と国立肖像画美術館となっています。ワシントンDCを訪問する機会があれば、初代特許庁(建物が現在は博物館になっています)を訪問し、アメリカの特許の歴史を振り返ってみてはいかがでしょうか。

今回で私のトレーニー日記は最終回となります。最後までお付合い頂きまして、ありがとうございました。次回以降は私の後任に引き継ぎたいと思います。今後ともトレーニー日記をよろしくお願いいたします。

(記事担当: 特許部 鈴木(利))

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