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2013.05.20

【特許・意匠ニュース】 ミャンマー意匠保護の現状(コラム)

ミャンマー意匠保護の現状
2011年3月の現テイン・セイン政権の発足後、民主化が進むミャンマー。今後更なる経済発展が期待される一方、国内の知的財産法に目を向けると、ほとんど整備されていない現状がある(*)。
1945年に公布された特許意匠法は1993年に廃止されている。

しかしながら、意匠に関しては、登記法(Registration Act)に基づいて意匠の所有を登記した後、新聞等に公告(Cautionary Notice)を行うことで、実質的に意匠権を発生させるという実務が存在する。
意匠の登記の際には、図面についての特段の要件は無く、六面図+斜視図+(物品によって)拡大図他、を提出可能である。

この権利を用い、特定救済法(Specific Relief Act)に基づき、意匠権侵害に対する訴訟が起こる可能性がある。
現地の法律事務所によれば、現時点で意匠権侵害訴訟の有無は確認できていないようである。しかし、今後の経済発展により国内での競争環境が整えば、将来的にそのような訴訟が提起され、新しい局面を迎える可能性は否定できない。

すでに同国への進出を決定、またはご検討中の企業の皆さんは、上述の制度による意匠保護を一考してみてはいかがだろうか。

* 知的財産法(商標法、工業意匠法、特許法、著作権法)に関しては、
2013年6月中の議会での成立を目指し、現在法案の作成を急いでいるとの情報を得ている(2013年5月13日時点)。
ただし、法律が成立したとしても、知財インフラ(特許庁、審査官他)が全く存在しないため、
実際に法律が機能するまでには数年かかると見られている。

(特許第一部 中辻啓)

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