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2016.03.29

杉田 秀

【米国トレーニー日記】 第11回:CAFCにてOral Argumentsを傍聴

 筆者(増位)は、2015年9月~2016年3月までの半年間、米国ワシントンDCのとある特許事務所にトレーニーとして駐在しました。本稿では、駐在期間中の『米国ならではの体験』について、みなさまと共有させて頂きたいと思います。今回は、『CAFC の Oral Arguments傍聴』についてご報告いたします。

 連邦巡回区控訴裁判所(CAFC: Court of Appeals for the Federal Circuit)は、滞在先事務所のオフィスから徒歩15分程で、ホワイトハウスの東隣にあります。空港と同じようなセキュリティチェックを受けて入所します。ここで、Photo ID(パスポート)を提示して、目的や行き先を伝える必要があります。目的は”To study the patent law”でOKです。行き先としてCourtroom(の番号)を指定します。入ったら、当該Courtroomの傍聴席に行きます。なお、スーツを着ていく必要がありますのでご注意。携帯電話の電源は必ず切りましょう。

 Courtroomに入ると正面に3人の裁判官席があります。裁判官席に向かって右側がAppellant(上訴人)側、左側がAppellee(被上訴人)側です。CAFCですので、陪審員席はありません。弁護士のみが前方に着席することができ、会社関係者等は、後方の傍聴席に座ります。

 例の木槌が鳴らされると、全員起立し、その後3人の裁判官が入ってきます。真ん中のヘッドジャッジが『これから案件番号XXXの審理を始めます』と宣言して、Oral Argumentがスタートします。

 今回の案件のヘッドジャッジは、かなり “emotional” な女性でした。話によって表情を大きく変え、彼女の(ちょっと変な)質問でCourtroomを爆笑につつんでいました。これは、極めて異例なことなのだそうです。

 ヒアリングは、Appellant陳述->Appellee陳述->Appellant陳述->・・・の順で進められます。双方の弁護士は、予め提出してあるブリーフの内容をまとめて陳述し、途中で裁判官から質問が入ると、それに答える、という感じです。

 裁判官からの質問は非常に多いです。裁判官は、弁護士の陳述を容赦なくさえぎって質問し、弁護士がその質問に答えている間にまたさえぎって質問し・・・、という感じです。その一方で、弁護士は、裁判官の話を絶対にさえぎらず、最後まで聞いているのが印象的でした。ヒアリングの途中で、傍聴席からAppellant側に何らかの指示書が手渡されたりしていました。双方が3回ずつ陳述して、Oral Argumentsは終了です。10時5分に開始、11時ちょうどに終了でした(約1時間)。

 Oral Argumentsの内容は112条の記載要件と、弁護士費用の補償に関するものでした。我々知財関係者にとってなじみのある話ですので、雑談などと比べると、英語が聞き易く感じました。

みなさまが傍聴のためCAFCを訪れる際に、ご参考にしていただけましたら幸いでございます。

※1
傍聴するOral ArgumentsとそのCourtroom(の番号)は、予め、以下のウェブサイトで確認することができます。
http://www.cafc.uscourts.gov/argument/upcoming-oral-arguments
(CAFCホームページ,〝Upcoming oral arguments”)

※2
終了したOral Argumentsについては、以下のウェブサイトで音声を聞くことができます(傍聴して、オフィスに帰ってきたら、もうmp3ファイルがアップロードされていました)。
http://www.cafc.uscourts.gov/oral-argument-recordings
(CAFCホームページ,“Oral Argument search”)

(記事担当:特許第2部 増位)

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