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2020.12.18

小林達也

【特許・意匠ニュース】 欧州特許庁、ビデオ会議形式の異議部口頭審理に関するパイロットプロジェクトを延長

2020年11月10日、欧州特許庁(EPO)は、異議部が管轄するビデオ会議形式(VICO: videoconference)による口頭審理に関するパイロットプロジェクトの改定および延長を決定しました。このパイロットプロジェクトは、新型コロナウイルスへの対策として、2020年5月より開始されていました。

今回の決定に従うパイロットプロジェクトの期間は2021年1月4日~2021年9月15日です。これにより、対面形式の異議部口頭審理は2021年9月15日以降に延期されます。

現在のパイロットプロジェクトではVICOによる口頭審理の開催への当事者全員の同意が必要とされていましたが、今回の改定では、当事者全員の同意は不要となりました。また、対面形式による口頭審理は、VICOによる開催に深刻な理由が認められた場合に限られます。例えば、視覚障害者が出席する場合や、触覚の特徴が不可欠な物体を口頭審理の対象とした場合などは深刻な理由に該当しますが、ビデオ会議用の機器が利用できないなどの理由は、深刻な理由に該当しません。

EPO審査部が管轄する口頭審理は、2020年4月の決定によってVICOによる開催が原則とされています。今回の決定により、審査部および異議部が管轄する口頭審理は、VICOが原則として義務化されることになりました。なお、審判部が管轄する口頭審理にもVICOがオプションとして導入されていますが、当事者全員の同意が必要とされています。

VICOによる口頭審理では、EPOと出席者の居住地との時差を考慮して開始時刻が調整された事例も報告されています。VICOの導入によって、日本在住者にとっては、口頭審理へ出席するためのハードルが下がったと言えるのではないでしょうか。

(参考)
EPO公式発表:https://www.epo.org/news-events/news/2020/20201110.html

記事担当:特許第1部 前澤

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