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2021.02.24

小林達也

【特許・意匠ニュース】 カナダ、審査報告書の応答期限延長に関する運用を明確化

 2021年1月6日、カナダ知的財産局は、審査報告書の応答期限延長に関する運用を明確にする発表を行いました。発表によると、審査報告書の応答期限延長を申請する際、出願人は「期限延長を求める事情の説明」を提出する必要があり、カナダ知的財産局はそれに基づき「期限延長が正当化され得る状況」であるか否かを判断する、とのことです。カナダ知的財産局は、「期限延長が正当化され得る状況」として6つの状況を例示しました。さらには、「期限延長を求める事情の説明」として「応答書作成のために時間がさらに必要である」と説明するだけでは、「期限延長が正当化され得る状況」とは判断されず期限延長は認められない、とも言及されています。
詳細
 カナダでは、2019年の特許規則改正により、審査報告書の応答期限が6か月(延長不可)から4か月(2か月延長可)となりました(2019年のカナダ特許規則改正については、過去の弊社記事をご参照下さい)。応答期限の延長が受理されるには、(1)応答期限日以前に延長申請すること、(2)延長費用を支払うこと、および、(3)カナダ知的財産局が「期限延長が正当化され得る状況」であると判断すること、が求められています。今回の発表では、上記(3)の運用が明確化されました。

 審査報告書の応答期限延長を申請する際、出願人は「期限延長を求める事情の説明」を提出する必要があり、カナダ知的財産局はそれに基づき「期限延長が正当化され得る状況」であるか否かを判断します。カナダ知的財産局は、出願人による「期限延長を求める事情の説明」について具体的なガイドラインは示さないものの、「期限延長が正当化され得る状況」であるか否かを判断するための十分な情報を提出するべき、と言及しています。カナダ知的財産局は、「期限延長が正当化され得る状況」として以下の6つを例示しました:

 ・ 出願にかかる権利の最近の移転
 ・ 選任された代理人の最近の変更
 ・ 出願人または代理人に影響する健康上の問題
 ・ 出願人と代理人との間の通信に影響を及ぼす特定の物流問題
 ・ 庁指令に対応するために出願人が取らなければならない特定の追加的努力
 ・ その他の不測の事態

 また、カナダ知的財産局は、出願人により提出された「期限延長を求める事情の説明」として「応答書作成のために時間がさらに必要である」と説明するだけでは、「期限延長が正当化され得る状況」とは判断されず、期限延長は認められない、とも言及しています。これは、期限延長が安易には認められなくなったことを暗示しているものと思われます。

 なお、審査報告書の応答期限内に応答できなかった場合には、みなし取下げとなりますが、みなし取下げの日から12か月以内(延長不可)に復活申請を行うことは従来通り可能です。

(参考)
・カナダ知的財産局リリース
https://www.ic.gc.ca/eic/site/cipointernet-internetopic.nsf/eng/wr04877.html

記事担当:特許第1部 小林 達也

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