IP NEWS知財ニュース

  • 特許
  • 韓国

2022.01.06

特許部 川島理紗

【特許・意匠ニュース】韓国、2021年11月18日から施行の改正特許法について

韓国における改正特許法が2021年11月18日から施行されました。
主な改正事項は、以下の通りです。

1.韓国特許出願の取下書又は放棄書の提出による審査請求料の返還範囲拡大
審査請求後の特許出願について取下書又は放棄書の提出を行う場合、改正前では、最初の拒絶理由通知発行前、又は拒絶理由通知が発行されず特許決定される前において、先行技術調査が完了するまでの段階でのみ審査請求料が全額返還されていました。改正により、最初の拒絶理由通知発行前、又は拒絶理由通知が発行されず特許決定される前の段階では審査請求料が全額返還され、拒絶理由通知発行後その応答期間が満了する前の段階では審査請求料の1/3が返還されるようになりました。なお、韓国の審査料は、基本料143,000 KRW+(44,000 KRW×請求項数)で計算されます(2021年12月現在)。すなわち、1 KRW=0.1 JPYとした場合、基本料14,300 JPY+(4,400 JPY×請求項数)です。

2.特許審判での調停制度導入
特許審判で当事者間の合意により審判を終結できる調停制度が導入されました。特許審判の過程で審判長により調停が必要であると判断された場合、審判長は両当事者に紛争調停委員会への回付を提案することができます。両当事者がこれに同意した場合、審判長は紛争調停委員会に当該審判を回付します。これにより、状況に応じて審判をより迅速に終結することが可能になりました。

3.特許審判段階での適時提出主義制度導入
当事者が故意又は重過失で証拠等を遅らせて提出して審理を遅延させる場合などに限り、適時提出主義が適用されるようになりました。適時提出主義違反時、審判長は、職権又は相手方の申請により、当事者の主張又は証拠の提出を却下し、審理に反映させないことが可能になりました。これにより、審理の遅延を抑制することが期待されています。

(参考)
・韓国特許庁の発表(2021年11月18日付)
1. 韓国特許出願の取下げまたは放棄による審査請求料の返還範囲拡大
https://www.kipo.go.kr/kpo/BoardApp/UnewPress1App?a=&board_id=press&cp=&pg=&npp=&catmenu=m03_05_01&sdate=&edate=&searchKey=&searchVal=&bunryu=&st=&c=1003&seq=19274
2. 特許審判段階での調停制度導入、特許審判段階での適時提出主義制度導入https://www.kipo.go.kr/kpo/BoardApp/UnewPress1App?a=&board_id=press&cp=&pg=&npp=&catmenu=m03_05_01&sdate=&edate=&searchKey=&searchVal=&bunryu=&st=&c=1003&seq=19275
3. 韓国の審査請求料について
https://www.kipo.go.kr/en/HtmlApp?c=92004&catmenu=ek03_04_01
・情報提供:KIM&CHANG事務所(ソウル)、Lee International特許法律事務所(ソウル)

関連記事

お役立ち資料
メールマガジン