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2025.08.25
特許部 澤部 絢香
2025年7月21日、シンガポール知財庁(IPOS)は料金の改定について発表しました。特許に関する改定についてご紹介します。
料金の多くは改正されずに維持される予定です。
改定対象の料金については、2025年9月1日より適用されるものと、2026年4月1日より適用されるものがあります。
シンガポール知財庁(IPOS)が発表している主な変更内容は以下のとおりです。
・PCT出願における国際調査料および国際予備審査料の引き上げ。
・特許維持のための年金の引き上げ。
・クレーム超過料の引き上げおよび庁料金発生のクレーム数の引き下げ。
・クレーム超過料の納付時期について、登録料納付時から拒絶理由応答時のタイミングへ変更。
※2025年9月1日までに審査請求手続きが行われた場合は、引き続き登録料納付時にクレーム超過料が発生します。
・期間延長料の一部引き上げ。
シンガポール知財庁(IPOS)の発表(2025年7月21日付)
Circular: Fee Updates | Intellectual Property Office of Singapore
シンガポール知財庁(IPOS)の発表を受け、特許権利化実務に影響を与えるポイントをご紹介します。なお、料金換算は1.00シンガポールドル(S$)=115.00円としています。為替変動により金額が異なる場合がございますので、予めご了承ください。
<特許料金改定における重要ポイント>
1. 庁料金改定のタイミングについて
2. クレーム超過料について
1.庁料金改定のタイミングについて
改定対象の庁料金の多くは、2025年9月1日より新料金が適用されます。
2025年9月1日、2026年4月1日と2段階に分けて値上げされる料金もあります。
例えば、審査報告書(Examination report)に対して行う再審査請求(Request for an examination review report)の料金は以下のように改定される予定です。
2.クレーム超過料について
クレーム(請求項)が規定数を超える場合の料金体系が変更され、以下の新ルールが適用されます。
①2025年9月1日以降、庁料金および庁料金発生のクレーム数の変更
改定前:クレーム20を超える場合、1クレームあたり S$ 40.00(約5,000円)
改定後:クレーム15を超える場合、1クレームあたり S$ 80.00(約10,000円)
・シンガポールでは、審査請求の種類により審査料(クレーム超過料発生前の料金)が異なります。
・改定後、クレーム数が15以内であれば、超過料は発生しません。
・2025年9月1日より前に審査請求を行った案件では、改定前のルールが適用されます。
②2026年4月1日以降、庁料金納付のタイミング変更
・改定後、クレーム数が15以内であれば、超過料は発生しません。
・2025年9月1日より前に審査請求を行った案件では、引き続き登録料納付時にクレーム超過料が発生します。
①および②を考慮すると、クレーム数が15を超える場合、2025年9月1日より前に審査請求を行うことで金銭的メリットが得られます。
シンガポール知財庁(IPOS)の発表のうち、附則A(Appendix A)には具体的なシナリオが9つ示されています。弊社作成の和訳も併せてご覧いただければ幸いです。
料金改定に関連する具体的な手続き等のご相談については、NGB特許部へお気軽にお問い合わせください。
澤部 絢香
二級知的財産管理技能士(管理業務) 。幼少期をマレーシアで過ごし、たびたびシンガポールに訪れていた。趣味はクラリネット演奏。大学卒業後、販売職を経て特許事務所で日本・PCT出願事務業務を担当した後、2020年に日本技術貿易(現NGB)株式会社に入社。以来、外国出願の出願・中間・登録における事務業務全般を担当。