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2025.08.20
商標部 西原

【セミナー開催報告】中国商標セミナー [2025年7月]

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NGB外国商標セミナー2025「中国商標セミナー」を2025年7月16日(水)東京会場、7月18日(金)大阪会場にて開催いたしました。北京のLEXFIELD Law Offices(聯徳法律事務所)の Ms. Jan Liu, Ms. Yuan Yuan, Ms. Kaho Santoのお三方を講師にお招きし、2会場合計で約90名のお客様にご参加いただきました。ご承知の通り、中国における商標出願総数は 2021 年をピークとして減少傾向にあるとはいえ、2024 年時点で 600 万件以上の出願が行われており、世界各国の商標出願数からみても、依然として並外れたボリュームです。膨大な出願件数を背景に、絶対的拒絶理由の審査厳格化や多数の先行商標を引用した引例拒絶など、出願人は多様で深刻な問題に直面し、多くの企業が第三者対応(冒認出願対策や模倣品対応)にも苦慮しているのが実情です。日本と大きく異なる情勢や制度、さらには最新の実務動向を踏まえた出願戦略の立案は多くの企業にとって喫緊の課題となっています。このような状況をふまえ、中国における商標実務、最新の現地情勢に精通した LEXFIELD の弁護士と、中国商標案件を多数経験している NGB とが共同で、今回のセミナーを開催する運びとなりました。

セミナーでは、まず、NGBスタッフが中国商標に関する各種統計情報の分析結果をご紹介しました。中国商標出願の全般的傾向(内外出願人別・クラス別データ、マドプロ利用状況、中国出願人による外国出願状況、審判データ、民事・刑事・行政訴訟データ等)を概観し、本編への導入といたしました。続いて、LEXFIELDの講師とNGBスタッフによるセミナー本編に入りました。前半では、商標担当者の業務に直結する、中国商標審査の最新の実務をご紹介しました。商標出願戦略、引用商標への対策、品質誤認の拒絶への対応、不使用取消への対策などについて、講師とNGBスタッフとのディスカッションも交え、具体的な事例をふまえた積極的な提言が多く挙げられました。特に、日本企業の中国商標ポートフォリオにおいて出願漏れの起こりやすいケース、B to B 企業が取るべきプロアクティブな商標出願戦略等、有益な学びとしていただけたものと思います。

セミナー後半のトピックは、模倣品対策(警告状、オンラインテイクダウン、行政摘発、民事訴訟、税関における保護)と、法改正動向(中国『商標法』改正最新動向と対応、中国新『反不正競争法』)でした。模倣品対策では、対応実例をふまえ、各フェーズにおける注意事項や成功率を上げるための具体的な方策をご紹介しました。NGBでも過去数度にわたり中国の税関視察を実施してまいりましたが、昨今は訪問自体が難しくなっているとも言われております。その一方、今後税関トレーニングを増やしていくエリアがあるとの情報もありますので、ご関心のあるお客様はぜひご相談ください。法改正動向に関しては、立法目的に立ち返り、改正の意図に焦点を当てることで、想定される影響と対策とを考察しました。LEXFIELD からは、改正法施行までの準備期間を、受け身の対応とすることなく、ブランド戦略・事業運営の見直しなど「攻め」の知財体制を整える絶好のチャンスと捉えるべきであるとの提言がありました。

結びに、LEXFIELDの講師とNGBスタッフより、中国の商標制度において急速な制度改正と実務上の変化が進んでいること、日本企業にはこれまで以上に柔軟かつ戦略的な対応が求められること、出願戦略や模倣品対策においては現地の最新事情に即した実務的なアプローチが重要であり、法改正の影響を正確に見極めるべきことがあらためて強調されました。

今回のセミナーを、今後の中国事業立案やブランド戦略の一助としていただきましたら幸いです。お客様からは、従来の常套的な議論から一歩踏み込んだ積極的な提案力のあるセミナーであったとのご評価をお寄せいただいております。ご参加いただきました皆様に御礼申し上げます。NGB商標部では、今後も、お客様のご興味にお応えするセミナーを企画・開催してまいります。セミナーについてご要望等がございましたら、ぜひお問合せフォームよりご連絡いただきますようお願い申し上げます。また、商標に関するご相談にも対応しておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください。

 

 

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