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2021.08.04

特許第1部:曽我哲也

【特許・意匠ニュース】 USPTO、査定系審判の審理を促進するパイロットプログラム(Fast Track Appeals Pilot Program)を延長

2021年7月2日、米国特許商標庁(USPTO)は、2020年7月2日から1年間の実施を予定していたパイロットプログラム(Fast Track Appeals Pilot Program)を2022年7月2日まで延長すると発表しました。本パイロットプログラムは、特定の査定系審判の審理を優先的に促進するものであり、本パイロットプログラム適用が認められた日から審決まで6か月を目標としています。

(本パイロットプログラム適用が認められるための要件)
1. 特許、意匠、または、植物、のオリジナル出願*であること。ただし、既に審理を優先的に促進する対象(MPEP 708.01参照)となっている出願には適用されない。
2. 審判請求が提出され、特許審判部(PTAB)の審判番号通知が発行されていること(すなわち審判がPTABに係属していること)。
3. USPTOの電子提出システムを介して申請書を提出すること。
4. 申請料US$420を支払うこと**

(経過情報)
本パイロットプログラム適用の申請の状況はUSPTOウェブサイトにて随時公開されます。2020年7月から2021年6月30日までの期間中、本パイロットプログラムの適用を受けた162件に対する審決が発行され、PTABによる審判受理日から審決までの平均期間は約6か月となっています。2021年4月から6月までの四半期では52件の申請に対して50件が許可されました(四半期の上限は125件)。残りの2件は、PPH対象および再発行出願ということで既に審理を優先的に促進する対象となっていたため却下されています。

* 再発行出願ではない出願であり、最初の出願又は継続性のある出願であってもよい。MPEP 201.02参照。
** 当初の$400から変更

(参考)
・”USPTO announces extension of the Fast-Track Appeals Pilot Program through July 2, 2022″, USPTO
https://content.govdelivery.com/accounts/USPTO/bulletins/2e68078
・”Fast-track appeals pilot program (regular)”, USPTO
https://www.uspto.gov/patents/ptab/fast-track-appeals-pilot-program
・過去弊社記事:「USPTO、査定系審判(Ex Parte Appeals)を促進するパイロットプログラムを発表」
https://www.ngb.co.jp/ip_articles/detail/1802.html

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