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2011.03.07

【米国トレーニー日記】第3回:ワシントンの春

 トレイニー日記の最終回、今回は話題をがらりと変えて、米国特許庁を初め多くの官庁、および弁護士事務所が存在するワシントンDC(日本で言えば霞ヶ関!?)について少し紹介したいと思います。

 私は昨年の冬から春にかけてワシントンに滞在したのですが、なんといっても100年ぶりの大雪には驚かされました。 特許庁も含め官庁が1週間も休みになったのは、記憶に残っている方もおられるかと思います。また、米国の国会議事堂の前でスキーをした写真が日本ニュースにもなっていました。 当時ワシントンでは、メトロも完全にストップし、道路の雪かきは間に合わず正に首都機能停止という状況でしたが、一般市民は、100年ぶりの大雪記録の更新なるかというところで、(意外に!?) 大盛り上がりでした。

 というわけで、ワシントンというのは、大雪を含めて全体的に「寒い」というのが私の印象だったのですが、3月末から4月にかけて大きく変わりました。 日本では三寒四温と言ったりもしますが、ワシントンではぐんぐんと一気に暖かくなりました。 そんな、長い冬の終わり決定づけるかのように、一斉に桜が咲きます。

       
 私は、これまで千葉、茨城、大阪にしか住んだことがなかったので、厳しい冬が終わり春になる喜びというのをこれまでで一番感じました。 市民(弁護士、審査官も含む)のテンションは非常に高いです。 みなどことなく、ワクワクしています。 この時期、昼から休んでしまう審査官、弁護士の気持ちもよく解ります。 既に半袖短パンの人も見ました。これから夏に向けて後何を脱ぐのかと思ったりもしました。 

 ワシントンでもお花見があります。 ただ、ここでは外での飲酒は禁止されており、日本のようにブルーシートを広げて場所取りや、カラオケをしての大騒ぎはありません。 桜の下を散歩するといった感じです。 その昔、日本から送られたという桜、アメリカ人も同じように、同じ花を愛でると思うとなかなか親近感がわきます。 今年も、もうすぐ桜の季節がやってきます。 この時期にワシントンを訪れると、日本の桜とは同じようで、また雰囲気の違ったSakuraを見られるかもしれません。
 
 こんなわけで、私のトレイニー生活も春で終えました。現在は、この経験を踏まえ、現地代理人と連携してお客様に一段レベルの高いサービスが提供できるよう、また社内の若手スタッフのレベルアップに努めております。 今後ともNGB特許部を宜しくお願い致します。

* お蔭様で、ご好評を頂きましたこの米国トレイニー日記ですが、とりあえず私の後任に引き継ぎたいと思います。 最後までお付合い頂きまして、ありがとうございました!

(特許部 中辻)

[Patent Agent試験の例題:回答]
 前回最後に提示したPatent Agent試験の例題:新規性102(e)項に該当する文献はどれか? の解答です。

 正解は(C)でした。 102(e)項は未公開の先願に関する規定ですが、引例がPCT出願であったりすると、少々厄介になります。 簡単に解説すると、(A)は国際出願日が2000年11月29日より前なので×、(B)は同一発明者なので×、(D)は特許出願でないので×です。 MPEP706.02(f)(1):Examination Guidelines for Applying Reference Under 35USC 102(e)には、102(e)の引例の妥当性がわかる便利なフローチャートがついています。 現地の弁護士でも、このフローチャートを机の見える位置に貼っている方もいました。

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