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2011.10.06

【米国トレーニー日記】(第8回) 最高裁とCAFCの見学

第7回までは鈴木がトレーニー日記を担当させていただきましたが、今回からは、私、横川がトレーニー日記を引き継いで担当させていただきます。あまり気の利いたお話はできませんが、数回担当させていただく予定ですので、お付き合いいただければと思います。
私は、前任の中辻、鈴木が駐在した事務所とは別の、比較的大規模の事務所に駐在しておりました。駐在先の事務所内での経験につきましては、いずれご紹介させていただく予定です。今回は、最高裁とCAFCの見学(傍聴)について簡単にご紹介させていただきます。

最高裁
最高裁は、Washington DCと近郊の都市を結ぶUnion駅の近くに位置しています。(なお、Union駅より東側は、あまり治安のよくない地域といわれています。
(最高裁判所とUnion駅周辺の地図はこちらをご参照)

最高裁で裁判を傍聴するには、朝早くから列に並ぶ必要があります(添付の写真参照)。これは、一般の傍聴席の数がそれほど多くないためです。私は8時少し前から並ぶことで幸い入場することができましたが、別のトレーニーの方からは、注目度の高いケースでは、朝6時頃から並んでも席を確保できなかったという話も伺いました。(なお、館内の見学のみの場合には、それほど早くから並ぶ必要は無いようです。)

館内に入場する際にはセキュリティチェックがあります。また、入館後、筆記用具以外の荷物は、全てロッカーに入れる必要があります。その後、傍聴席に通され、裁判の開始を待つことになります。

法廷の中は、荘厳な造りでとても趣があり、厳粛な雰囲気が漂っています。また、当然のことですが、傍聴にあたっては、静粛にすること等、一般的な注意事項を守るよう求められます。ただ、一般傍聴席には、Tシャツ・短パン姿の観光客らしき方もおり、中には中学生ほどの子供のいる家族連れの姿もあったりしたことは、少し意外に感じられました。

私が傍聴した日はたまたま口頭審理の行われる日ではなかったため、判事が読み上げる判決内容を黙々と聞くことになりました。具体的には、テレビゲームの暴力的なシーンや交通事故の責任に関する判決などです。なお、口頭審理のある日の方がより人気があるようで、前述のように、朝早くから列に並ぶ必要があるようです。

傍聴が終わると退席することになりますが、法廷の外では、記念撮影をする方の姿もちらほら見受けられました。また、館内にはギフトショップもあり、ちょっとした記念品などを探すこともできます。

CAFC(Court of Appeals for the Federal Circuit、連邦巡回区控訴裁判所)
CAFCはアメリカ全域における特許関連の控訴審を扱う裁判所です(特許以外にも、関税などの特定分野の事件も扱うようです)。場所は、ホワイトハウスのすぐ側になります。

私は、駐在先の事務所の弁護士に連れて行ってもらったため、詳細は把握できておりませんが、傍聴にあたっては、事前の予約が必要なようです。

セキュリティチェックを終えて入館すると、法廷の前のロビーで少し待ち時間があります。ロビーでは、口頭審理に備えて書類に目を通す弁護士とおぼしき方の姿もあり、なかなか緊張感があります。

CAFCには複数の法廷があり、それぞれの法廷で裁判が行われています。私が傍聴した法廷では、当日、4つの事件について、それぞれ30分程の口頭審理がありました。

口頭審理では、原告と被告の双方が、それぞれ限られた時間の中で、矢継ぎ早にくる判事からの質問に答え、なおかつ自らの主張を繰り広げることになります。私は事件のあらましに関する資料を手にしながら傍聴しましたが、それでも、議論の進むスピードについていくことはなかなか難しく感じられました。

それでは、纏まりのない話になりましたが、今回はこのあたりで失礼します。次回トレーニー日記を、乞うご期待。

(特許部 横川)

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