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2012.04.20

柏原 雄人

【セミナー開催報告】 アフリカ・カリブ諸国の知的財産現況

去る3月14日、NGBでは Lysaght & Co. 事務所から2名の専門家を招き、アフリカ・カリブ諸国の知的財産現況(知財保護および権利行使の実態)というテーマでセミナーを開催致しました。
日本ではまだ馴染みが薄い地域ではありますが、21世紀は「アフリカの時代」と言われています。日本企業が積極進出しているアジアの人口は2050年の50億人をピークに減少に転じ、BRICs諸国をリードする中国も2040年を過ぎると急速な高齢化に突入すると言われています。 そのなかで21世紀後半になっても一貫して増加し続ける例外的存在がアフリカといえるでしょう。

いまだ旧宗主国と旧植民地の構図が見え隠れるする二つの広域制度、OAPIとARIPO、名前だけは聞いたことがあるが詳細はよくわからないとういうご意見も多い中、今回のセミナーでは知的財産制度の概要、手続き、権利行使について、時間の許す限り講師により解説が行われました。

中国の国を挙げてのアフリカ進出がマスコミで報道されている中、知財権の保護はどうなっているのか? 権利行使の障害になる要因は? 模倣品対策は?などなど・・・ 
一部の産業では日本企業の模倣品がかなり流通しており、真正品が模倣品の扱いを受けてしまうという逆誤認が発生しているのも看過できないことです。 このような潜在的に問題がある背景もあり、比較的長めに設定された質疑応答の時間も活発に情報交換が行われました。もちろん、その場で回答できなかった事項については、後日、回答させていただきました。

ただ残念なことは、ARIPOとOAPIにおける出願件数、出願人名やその国籍に関する具体的な数字をご案内することができなかった点です。この点、講師も気にしておりましたが、両広域特許制度加盟国における統計データの提出が十分行われていないとの説明がありました。

また、カリブについては特許よりは商標がイメージとして先行してしまいますが、やはり、一部の産業については、確実に侵害が行われている点、講師からも指摘がありました。経済圏としてのシステム=CARICOMに知財保護要素を加える計画が進められており、北にアメリカ、カナダ、南にブラジル、アルゼンチン他多くの国が存在するカリブ広域知財システムも今後注目すべきシステムの一つと言えます。

相対的に情報が不足している新興諸国・・・これはアフリカ、カリブに限ったことではありませんが、今後も有益な知財関連情報の提供が弊社の責務の一つであることを改めて認識した一日でした。

(営業推進部 原田智)

講師の Mr. Stephen V. Le Feuvre & Ms. Louise Audhlam-Gardiner
50名を超える参加者
OAPI加盟国 (講師作成テキストより抜粋)
ARIPO加盟国 (同左)

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