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2014.09.22

【ASEANプロジェクト2014】[ 4 ] ブルネイ、ラオス、カンボジア 訪問記 <前篇>

ASEANプロジェクト2014第4チームからは、ブルネイ、ラオスおよびカンボジアについて紹介する。いずれの国もASEAN10カ国の中では経済規模が小さい国であり、工業的発展の途上にある国々である。これらの国における知的財産保護について不安を感じておられる方も多いと思う。本プロジェクトでは、現地訪問の前に、訪問先の国の知的財産制度について日本国内でどのような情報が得られるか事前調査をしたが、これら3カ国については実務上十分に役立つ情報は得られなかった。本稿では、NGBの特許担当者と商標担当者が実際に現地を訪問して、現地代理人や審査官に対するインタビューを通して得られた現地の様子を3篇にわたって紹介する。

   ブルネイ
   ラオス
   カンボジア

[ブルネイ]

ブルネイは正式名称をブルネイ・ダルサラーム国といい、イスラム教国である。カリマンタン島北部に位置する、三重県ほどの面積の小さな国である。産油国であるため経済は豊かで、他のASEAN諸国に比べて物価も高い。1984年までイギリス領であったため、街並みは近代的で、アジア的な雑然さはあまり感じられない(写真1)。

ブルネイ特許庁は市内中心部から車で15分ほどの郊外に位置する。国際的なスポーツイベントの選手宿舎として建てたマンションの1フロアがブルネイ特許庁(BruIPO)である(写真 2 & 3)。

今回の訪問では、現地代理人の協力により、特許庁のスタッフ2名に面会することができた。うち1名が特許・意匠担当のスタッフである。ちなみにブルネイは実体審査制度を採用しているものの実際の審査業務は他国に委託している。そのため、庁内に審査官はいない。現行制度における年間の特許出願数は30件(2012年)程度であり、特許登録はまだ0件である。ただし日本特許庁でのスタッフの研修などは利用しており、またスタッフの意気込みからも、特許制度の拡充をする意思が感じられた。

商標については既に多くの出願・登録があるが、目下2015年のマドリッド・プロトコル加盟を目指して準備中とのこと。ちなみに、登録商標の権利期間は他の多くの国同様10年であるが、更新手続の猶予期間は柔軟に認められている模様であり、手続期限を過ぎてしまっていても「先ずは申請を出してみて下さい」とは同席してくれた現地代理人の弁。

ブルネイは比較的豊かな国であり、他のASEAN諸国で売られているものに比べ、模倣品の質が高い。現地代理人のMs. Ahmadに国内随一のショッピングモールを案内してもらった(写真4)。一見して正規品と区別がつかないほどのものがあるが、国内に正規品はほとんどないとのことであった。彼女は、正規品を購入する場合にはシンガポールへ渡航するそうだ。

国家経済が豊かであるため街並みなどは先進国のように感じられるが、知的財産保護の観点からは依然として発展途上である。しかし、教育水準が高いことや、英語が公用語であるため手続きを取りやすいことを考えると、シンガポールのように知的財産先進国となれる可能性があるように思う。

[特許第1部 中村有一/商標部 伊藤賢太郎(ブルネイ記事担当)]

=> ラオスへ続く

(写真 1 :ブルネイ市内)
(写真 2 & 3 :ブルネイ特許庁。両端のお二人が特許庁スタッフ。女性が代理人の Ms. Ahmad)
(写真 4 :ショッピングモール)

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