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2020.01.23

中国知財局:2019年の知的財産関連統計データを発表

日本技術貿易株式会社 顧問
張 華威

 2020年1月14日、中国国家知的財産権局(以下、「CNIPA」という)は記者会見を行い、2019年度の専利、商標、地理的表示、集積回路配置設計に関する統計データを発表した。

参照URL:
http://www.cnipa.gov.cn/zscqgz/1145388.htm

 発表された内容の重要な部分及び筆者の分析は以下のとおりである。

1. 特許出願受理件数は140.1万件であり、2018年の154.2万件と比べて約9.1%減となった。一方で、外国出願人による出願は15.7万件となり、対前年比6%増となった。出願件数の減少は中国国内出願人によるものであり、奨励金などの条件の厳格化や従来技術を複製するなどの非正常出願の取締強化が影響していると思われる。

2. 実用新案権の登録件数は198.1万件であり、2018年の187.4万件に比べてさらに5.7%の増加が見られた。非正常出願の取締強化だけでなく、新規性の審査もされるようになり、審査期間も長くなったが、登録件数は依然として増えている。

3. 意匠権の登録件数は74.4万件であり、2018年の66.7万件をさらに上回り、改めて史上最多記録を更新した。

4. PCT出願受理件数は6.1万件であり、対前年比10.4%増となった。そのうち、国内出願人による出願件数は5.7万件であり、対前年比9.4%増となった。PCT国際出願が多い都市のトップ3は広東省(2.47万件)、北京(0.72万件)、江蘇省(0.66万件)であり、著しく広東省に集中していることがわかる。

5. 専利復審委員会が受理した復審(拒絶査定不服審判)の請求件数は5.5万件であり、3.7万件終結した。無効審判請求件数は0.6万件であり、0.5万件終結した。

6. 全国の行政専利侵害処理件数は3.9万件であり、対前年比13.7%増となった。

7. 商標出願受理件数は783.7万件であり、昨年登録件数737.1万件をさらに上回る結果となった。登録件数は640.6万件に達し、このうち中国国内出願人による登録件数は617.8万件を占めている。

8. マドリッドプロトコルに基づく国際商標出願の出願件数は6,491件であった。

9. 商標出願の平均審理期間は4.5ヶ月間であり、一年前の6か月間よりさらに著しく短縮された。

10. 地理的表示においては、5の地理的表示保護製品が認定され、462の地理的表示商標が登録され、301の企業に地理的表示製品の専用標章の使用を認可した。

11. 集積回路配置設計の出願件数は8,319件(対前年比87.7%増)であり、登録件数は6,614件(対前年比73.4%増)であった。

以上

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