Cross Talk

NGBが見てきた


“知財の世界”のこれから


Cross Talk 04

幅広い業界に関与している
NGBの存在感

SESSION THEME 01

R.H
こうして色々なセクションのメンバーが集まったので、まずはそれぞれが担当するクライアントの業界動向から話しましょうか。
S.S
私が担当するのは大手自動車部品メーカーや電気総合メーカー。グローバルに展開する企業が多いので、世界中にネットワークを広げているNGBの存在意義をご理解いただけていると感じています。
K.Y
私は化学系の分野の案件を担当しています。特に医薬メーカーでは、特許が取得できるかどうかによって、業績、収益はかなり変わってきますので、単に特許権を取得するだけでなく、その権利範囲を大変重視されているクライアントが多いですね。
W.F
商標自体は日本だけではなく、海外マーケットで重要視されているので、海外での権利取得がホットになっています。最近はアフリカなども視野に入っていますが、現地の様子がまったくわからないというクライアントも多い。代わりに我々が毎年、現地にいって情報収集して提供する場面が多くなっています。
T.M
自動車メーカーや自動車部品メーカーからの特許調査依頼が増えていますね。最近は、電気自動車や燃料電池自動車分野が増えていて、機械だけでなく化学や電気要素も含まれているため、分野をまたいで技術を理解する必要が生じています。変化も激しい分野だし、マーケットも世界に広がっているので、当社の海外ネットワークと蓄積された調査ノウハウが強みになっています。
K.N
自動車部品や家電、IT機器、通信など幅広く担当していますが、やはり業界の景気動向と特許取得の動きは連動していますね。
R.H
私が担当するのは、著しい進化を遂げている通信業界。どんどん新しい技術、新しいサービスが登場しています。我々もそれに対応していく必要があります。他社の特許を侵害しないように確認する調査が必要不可欠な業界です。もし我々の業務に遅れが生じた場合、クライアント製品の市場投入が遅れるといっても過言ではないと思います。正確さとスピードが求められています。

部門間を超えたコラボレーション
が総合力を生む

SESSION THEME 02

T.M
我々の業務は、個人で完結する面と部門を超えて連携する面の二面性がありますよね。
R.H
そうですね。特に特許部とIP総研とは密接なつながりがありますね。
T.M
異議申し立てや無効審判の場面においては、連携することが多いですよね。製品開発の中で他社の特許権を無効化させたいという状況になると、他社特許の無効資料調査を行いたいという話になります。そんなときに、特許部からIP総研に相談があって、我々で調査を行ったりします。
R.H
その逆もありますね。ある製品を開発している段階で、まず私たちIP総研の方で、他社が同じ様な製品について特許出願をしていないか、どういう技術を出願しているかを確認する調査を実施します。その後、特許部に外国での権利取得をお願いするケースがあります。それぞれがクライアントのフロントに立っているから、調査から出願へ、あるいは出願から調査へ繋がる仕事というのが日常的に発生しています。
K.N
私たちの会社は知財の総合デパートのような存在です。総合力が私たちの強みの一つであると思っています。ただ、幅広いサービスを取り揃えていても、それぞれの部門が専門の殻に閉じこもっているのでは、真の総合力は発揮できません。
R.H
それは、社長が日頃おっしゃっていることだよね。部門の枠を超えてコミュニケーションを取りなさいと。
T.M
それでこそ、クライアントの要望にお応えできます。クライアントは、調査だけ、あるいは、出願だけできればよいと思っているわけではありません。
S.S
新しく入社された方への研修の一環として、部門横断的な研修もありますよね。
K.N
その研修は、私たちの代あたりから始まったと聞いています。今では、講師役をする立場になりましたが。
R.H
あれは、今でも随分と印象に残っています。総合力を意識するきっかけとなりました。

NGBの力を集結して
新しいビジネスの土台を作る

SESSION THEME 03

K.N
クライアントから調査絡みのご相談をいただいたときに、安心してお願いできる、IP総研の実力は誰もが認めるところで、“NGBがわからなかったら、日本では誰もわからない”ぐらいの気持ちがありますよ。それくらい信用している。
R.H
我々もそうですね。もしクライアントが外国出願でお困りなら、NGBの特許部・商標部に任せてもらえれば安心できるだろうなという思いがあります。NGBでは特許部や他部のメンバーでチームを組んで、色々な国に行って現地の状況を視察してくるというプロジェクトがあります。そんな活動を見ているので、出願のサポートについても自信をもってお勧めできます。
W.F
商標は製品の開発が終了した段階、商品として市場に出す前に考えるものなので、直接他の部門と連携することはありません。しかし、外国出願と同様、海外の弁護士や弁理士、法律事務所との連携は重要なので、私も海外プロジェクトに参画し、現地視察のメンバーに加わりました。
K.N
そうですね。その海外プロジェクトは今から2年前、私たち特許部が中心となってはじめた取り組みです。ASEAN地域に対するクライアントの関心が高まり、出願数も増えてきていたので、先行して特許情報を収集しようという目的で加盟国10ヵ国を全て訪問。特許庁や特許法律事務所を巡って、集めた情報をまとめてクライアントに提供しました。
R.H
IP総研もそのプロジェクトに絡んでいて、ASEAN諸国に行き調査に関する情報を収集しました。こうした海外プロジェクトも部門を超えた連携の好例ですね。ASEANの前はBRICsプロジェクトがありました。この様な新たな取り組みに対して、NGBは総力をあげてチャレンジしようという風土が根付いていますね。

知財を取り巻く
環境の変化とNGBの進化

SESSION THEME 04

R.H
私たちが入社してから、知財を取り巻く環境は大きく変わったように感じますが、皆さんはどのような感触を持っていますか。
S.S
正直、競争が激しくなっていると感じています。私が、入社したのは“青色発光ダイオード訴訟”などで知財が話題になっていた年です。小泉政権時に知財立国という方針のもと、弁理士も増えていきました。しかし、リーマンショックの影響で産業自体が勢いを失い、「知財予算の聖域化」という考えは崩れ去りました。クライアントの間で、サービスの品質やコストに対する要求が高まり、競争が激しくなってきています。でも、私はこの様な状況はむしろ喜ばしいことと思います。競争の中で高付加価値を提供することにより個人も、会社も成長すると信じています。自分のモチベーションもあがりますよね。
T.M
私が入社した当時は、一部の特許データベースしか普及していませんでした。ところが最近は、特許情報を収録したデータベースが広く普及しているため、クライアントご自身が活用できる状況になりました。そういった時代に私たちは何をすべきか。多様化するニーズに対応し、クライアントの要望に踏まえて報告形式を変更したり、特許分析手法をカスタマイズするなど、日々勉強を重ねています。
R.H
クライアント側で調査に対する意識が大きく変わってきているのは確かですね。私の入社当時は、企業の開発部門において特許調査の重要性に対する認識が今ほど高くありませんでした。知財の盛り上がりによって、出願が増加したり、訴訟が増加したりとリスクが顕在化し、開発部門も調査の必要性に気づいて、調査に対するニーズも増えていきました。この流れは、これからも間違いなく続いていくでしょう。
K.N
外国出願の傾向も大きく変わってきています。日本への出願数は減っていますが、一方で海外へ出願する割合は増えています。また、出願する国も広がりを見せています。そんな中、私たちに求められる役割も変わってきています。特許庁からお仕事を受けて、中小企業向けに発行している「新興国データバンク」のプロジェクトをサポートさせていただいたこともあります。情報の少ない国の知財情報を収集しました。直接のクライアントだけでなく、日本の企業の海外展開のお役に立てているという意味で、日本の知財をある意味けん引しているという気持ちになりました。
K.Y
確かに要求レベルが高くなっていると感じますし、クライアントとの仕事の進め方も多様化しています。例えば、書類を納めるにしても、入社当時は、紙をプリントアウトして郵送していたのですが、最近はEメール納品やクライアントが構築したシステムに載せたり、当社で構築したプラットフォームに載せたりするケースも増えてきました。もちろん技術的な部分だけではなく文面も多様化しています。私たちは、そういったニーズにしっかり対応できる組織だと思っています。
W.F
私からは環境の変化についてではありませんが、世界的にみてもNGBのような会社はないと思っています。日本人は他国の人に比べて交渉力が弱いので、外国人との折衝を優位に運ぶことが難しいと思います。日本の商社同様、NGBはそんな交渉の矢面に立てる力を持っている希有な存在だと思っています。

NGBの未来と、
それぞれが目指す場所

SESSION THEME 05

T.M
最後に、NGBの未来とそれぞれの目標を語りあいましょう。
W.F
ここまでNGBがやってきたことはすごいことだと日々感じています。これからはクライアントの競争が激しくなっていく以上、さらに付加価値を提供すべきと考えます。私は国籍が中国なので、さらに中国案件を信頼して任せられる存在になり、NGBに貢献したいです。
K.Y
スペシャリスト集団であることは間違いないので、さらに部門間の人材の入れ替えを行い、幅広い業務に精通した人間を増やすことで、多様化したクライアントの要望に対応できるようになると思います。私も色々な経験をしてみたいと思っています。
S.S
物事を深く掘り下げる能力の高い人が多いですが、部門間で連携を強化して力を集約すれば、さらにNGBの存在価値が向上すると感じています。私は情報系出身なので、システムを活用した生産性の向上も考えていきたいと思います。
K.N
今でも仕事が面白いと思いますが、さらに楽しみたい。自分がこれまでできなかったことを経験したり、能力の高い海外の特許弁護士と出会うことは非常に楽しいし、それをチームメンバーと共有していくことで、個人の成長が会社の成長につながっていくと思っています。
R.H
IP総研のミッションは、調査して報告するだけでなく、クライアントに提案するというコンサルの領域にまで踏み込んだ業務を行っていくことと思っています。今後もクライアントと積極的に関わりを持っていくことにより、現状に甘んじることなく、更なる高みを目指していきたいです。
T.M
知財を取り巻く環境が激しく変化していますから、我々も変わっていかなくてはなりません。クライアントから信頼を得るためには、技術の理解力はもちろんのこと、法律知識や語学力、クライアントの事業方針、業界動向に関する理解力が必要であると思っています。専門性と総合力の両方を高めながら、日本の技術力の発展に貢献していきたい、そんな思いをこれからのNGBを担っていくかもしれない若い世代の方に伝えたいですね。
R.H
そうですね。私がこれから入社される方へお伝えしたいのは、活躍するためにはステージが必要で、そのステージが与えられるチャンスがこの会社にはあるということです。もちろんそのステージに乗るか乗らないかは、本人次第ですが、ステージが与えられるというのは結構重要な事だと思っています。今後入社してくる方々にそういうステージを与えられる様にがんばっていきたいです。
T.M
知財には馴染みのない状態で入社する人も多く、自分の分野で仕事と経験を重ねてスペシャリストになって、後輩に伝えていくみたいな文化がある。